・成宗はどんなことを成し遂げた王様なの?
・成宗に関連する重要人物は?
・成宗の登場する作品は?
こんな疑問に答えていくよ!
学問・経済・文化の発展に寄与し、太平天下を実現させた成宗。
そんな彼の功績の裏に隠された、息子・燕山君の暴政の原因となったある事件とは…。
そこで今回は「【朝鮮王朝9代】成宗(イヒョル)|王朝統治の基本を完成させた王」と題し、ご紹介していきます。
成宗(ソンジョン)/李娎(イ・ヒョル)のプロフィール
姓名 | 李娎(イ・ヒョル) |
生没年 | 1457年8月19日〜1495年1月20日 |
親族 | 父:桃源君(第7代王・世祖の長男)/徳宗(トクチョン) 母:懿敬世子嬪韓氏(仁粋大妃) 叔父:第8代王・睿宗 妻:恭恵王后(韓氏)、 廃妃尹氏(斉献王后)、他 息子:第10代王・燕山君(ヨンサングン)、第11代王・中宗(チュンジョン)、他 |
略年表
1457年 | 世祖の長男である懿敬世子と仁粋大妃の次男として生まれる。 |
1467年 | 韓明澮の次女(のちの恭恵王后)と結婚。 |
1468年 | 乽山君(チャルサングン)に冊封される。 |
1469年 | 睿宗が死去し、13歳で即位。 |
1474年 | 恭恵王后が死去し、尹起畎の娘(のちの廃妃尹氏)が王妃に冊封される。 |
1476年 | 親政を開始。 |
1485年 | 『経国大典(キョングクテジョン)』頒布。 |
1494年 | 37歳で死去。 |
史実では
次男だった成宗は本来なら王位に就くはずのない立場だったが、睿宗急逝当時、睿宗の次男の斉安大君(チェアンテグン)は3歳ということで除外、成宗の兄の月山大君(ウォルサンテグン)は病弱という理由で却下されたため、弟の成宗が即位した。
決定を下したのは貞熹王后(チョンヒワンフ)と韓明澮(ハンミョンフェ)で、成宗が韓明澮の次女(恭恵王后)と結婚していたことが決定打になったと思われる。
即位当時は13歳で、以降7年間、貞熹王后が垂簾聴政を行う一方、宰相たちによる院相制(ウォンサンジェ)も実施され、世祖時代から続く勲旧派(フングパ)が権勢を維持した。
ところが、1476年に貞熹王后の垂簾聴政が終わると状況は一変。
成宗は機を逃さず院相制を廃止して元老大臣を退け、代わりに若い士林派(サリムパ)を登用して王権安定につなげ、儒教理念を浸透させた。
生産力も向上し、開国以来、最も平和で豊かな世を築いた。しかし、学問を重視するあまり、科学技術がおろそかになり、軍事力の低下を招いた。引用:韓国時代劇で学ぶ人物大辞典
酒と女も好み、嫉妬した王妃が成宗の顔をひっかいて廃妃される事件に発展。燕山君の暴政の原因の一つとなった。
成宗を分かりやすく解説
8代王・睿宗が亡くなった後、王位継承者であった人物がそれぞれの理由で除外された結果、成宗が王位に就くことになったの。即位当時、まだ13歳だったから祖母による垂簾聴政を受けたのよ。
7代王・世祖からの信頼が厚かった韓明澮の娘と結婚していたことも決め手になったみたいだね。
ええ。垂簾聴政中は祖母である貞熹王后が良いように政権を握っていたんだけど、成宗の治世になってからは中国からの学問、朱子学を修めた官僚たちでなる士林派をポストに就かせ、大地主の両班からなる勲旧派の勢力を牽制したの。でもそれによって、2派の対立や抗争がのちの代まで続くことになったのよ。
身分に関係なく登用された優秀な人材と元々重要なポストについていた良家とのバチバチなバトルだね。
まあ、そんなところね。成宗の統治は歴代の王たちが成してきた功績を土台に文化政策を拡大した時期と言われているわ。祖父である7代王・世祖が完成させた朝鮮王朝を統治する基本となる法典「経国大典(キョングクデジョン)」を修正して広く広めたそうよ。今でいう憲法みたいなものね。
憲法を広めたの?!すごいな〜。
朝鮮初期の文物制度をほぼ完成させて”文化の黄金期”と呼ばれたわ。その一方で、色酒の絶えなかった成宗の行いに嫉妬した王妃が廃妃となって、毒薬を飲んで自ら命を絶つことを命じられた事件が起こったの。この廃妃こそが燕山君の母であり、彼の恐怖の暴政につながった要因の一つとされているわ。
成宗(ソンジョン)/李娎(イ・ヒョル)のドラマ作品
歴史的に重要な役割を果たした王様なんだけど、ドラマではその功績よりも女性問題が取り上げられることの方が多いの。成宗の息子・燕山君が主人公のドラマでは、暴君を生み出した諸悪の根源として描かれることもあるわ。
作品名(ドラマ) | 役者名 |
『王妃チャン・ノクス』(95) | ヒョン・ソク |
『王と妃』(98) | イ・ジヌ |
『王と私』(07) | コ・ジュウォン/子役:ユ・スンホ |
『インス大妃』(11) | ペク・ソンヒョン |
『逆賊-民の英雄 ホン・ギルドン-』(17) | チェ・ムソン |
『七日の王妃』(17) | キム・ジョンハク |