【朝鮮王朝】両班の生活や階級、官職制度を調査!時代をリードした集団

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・そもそも両班って何?
・両班の生活って実際どうなの?
・両班を取り巻く制度が知りたい

なつき

こんな疑問を解消していくよ!

韓国時代劇ドラマでは、よく『両班(ヤンバン)』が王の裏で国を牛耳っていますよね。

両班は、傲慢・お金持ち・高潔な人格者・エリートなんてイメージがありますが、実情はどうなのでしょうか?

そこで今回は「【朝鮮王朝】両班の生活や制度を調査!時代をリードしたエリート集団」と題し、まとめていきます。

両班がメインテーマの韓国時代劇ドラマは数少ないですが、ぜひ両班の知識を深めて朝鮮王朝時代の面白さに触れていきましょう。

目次

【朝鮮王朝】両班のルーツ【2種類の官吏】

なつき

王朝の官吏が王様のもとに集まり、政(まつりごと)に関するさまざまな意見を述べたりすることを「朝会(チョフェ)」と呼ぶわ。

なつき

朝会では王様が北に座って、文官=「文班(ムンバン)」らが東、武官=「武班(ムバン)」らが西に並んだのよ。このように東西両側に並んだ文班と武班の総称が、「両班(ヤンバン)」の語源と言われているの。

はると

両班にはそんな語源があったんだねー!知らなかったよー。

なつき

ちなみに、朝鮮でこの文武両班体制が始まったのは10世紀末の高麗時代で、唐の「文武散階(ムンムサンゲ)」制度がルーツよ。

はると

10世紀だと日本では平安時代だね。

なつき

そうね、当時の高麗王朝は、半島各地に割拠する豪族たちを束ねる制度作りを迫られていて、そこで「文武散階」の導入で強固な国家体制の確立を目指したわけなの。

豆知識①両班の制度の確立
高麗王朝時代の文武両班体制は不完全な部分が多かったけれど、朝鮮王・世宗(セジョン)時代の1436年に両班双方を統べる官位制度「正・従九品階(チョン・チョングプムゲ)」が整備され、名実ともに文武両班体制が整えられたんだよ。

両班は理想の高潔な人格者なの?

はると

官吏って両班の入り口だと思うけど、誰でもなれたの?

なつき

良い質問ね。科挙さえ受ければ誰でも官吏になれるわけじゃなく、そのチャンスは決まった支配階層だけがもっていたのよ。

はると

あー、これが僕がドラマでよく見る『両班』だ。

なつき

そうそう、この支配階層を俗に「士族(サジョク)」と呼ぶわ。両班という言葉はもともと文班と武班の意味だったんだけど、次第に士族、つまり支配階層を示す言葉に変わっていっていったのよ。

豆知識②知っておきたい「士大夫(サデブ)
士族という意味での両班と似たような使い方をする言葉が「士大夫」。もともとは身分が低い文班を「士(サ)」、それより身分が高い文班を「大夫(デブ)」と呼び、「士大夫」は文班の総称だったのよ。制度として文武両班体制が整えられたとはいえ、やっぱり朝廷は文班が主導的な力をもっていて、その総称がまた、支配階層の代名詞として広まっていったわけなの。

はると

でも、みんながみんな汚職していたわけじゃないよね?権力とは無関係に民のことを案じていた人をドラマでもよく見たけど…

なつき

当然!士族的な両班が国を弄ぶ一方で、次第に両班や士大夫の中には科挙に受かる学識だけでなく、高い「徳」を求める風潮が広まったのよ。

なつき

儒教の学識と人徳を兼ねた両班や士大夫は人々の尊敬を集める理想的な人物像とされたわ。ちなみに、朝鮮王朝末期には、官職に就かず「徳」を説いて政治に影響を与える「儒林(ユリム)」「士林(サリム)」と呼ばれる層も現れたの。

はると

ふーん、でも実際は…って感じだよね?

なつき

そうね…。実際は両班や士大夫の世界では汚職、搾取、醜い権力争いなどが常に横行していたらしいから、「高潔な人格者」といったイメージは、そうあって欲しいという“願い”的な側面が強いのよね。

【朝鮮王朝】両班の生活の実態

はると

両班の生活は本当に裕福だったのかなぁ?

なつき

最初は確かにやりたい放題で裕福な人が多かったけど、時代の変化に伴って両班といえども、苦しい生活を余儀なくされたみたいよ。

豆知識③両班の生活の変遷
朝鮮王朝時代初期の両班は、権力に応じて、奴婢(ノビ)と呼ばれる奴隷や土地を所有し、生産的な労働には就かず、科挙に合格して官吏となり一族に利権をもたらすべく、ひたすら儒教の経典の勉強に明け暮れたわ。

でも次第に科挙の合格者が大量生産されるようになると、ポストにも限りがあるから、科挙に受かっても仕官できない両班が続出したの。また土地や労働力といった生活基盤が不安定で、中人(チュンイン/平民)に身分を売る両班も登場したと言われているわ。

やがて時代が下ると家系図の偽造などが横行し、朝鮮王朝時代末期には両班階層の人口が膨れ上がる始末だったそうよ。

【朝鮮王朝】両班を取り巻く官職制度

【朝鮮王朝】官職制度

官職制度①京職

議政府行政の最高機関
吏曹文官の人事など
戸曹王の衣服の管理など
礼曹儀式、外交、教育など
兵曹武官の人事など
刑曹司法や刑罰など
工曹工事、交通など
漢城府首都・漢城を総括
義禁府政治犯を裁く裁判所
承政院王の政治の事務処理
司憲府官吏の調査や弾劾
司諌院王の試作の誤りを忠告
弘文館蔵書管理や政治研究
国家や首都の政治を担当

官職制度②外職

八道朝鮮を八つに分けた区分
府・牧・郡・県各道の行政区域
地方の政治を担当

差別化された文官と武官の待遇

なつき

朝鮮王朝時代は文武の格差を解消する形で階級制度が整理されたんだけど、実際は文官の優位は変わらなかったの。

はると

そうだよね…。色んなドラマ見たけど武官が偉いイメージなんてないもん。

なつき

そうね…。例えば、正一品、従一品といった高位者が就くポストは、文官の管理が独占してたから、武官のトップでも、正二品程度しかもらえなかったのよ。

なつき

あとね、文官は武官との兼任ができたけど、その逆は認められていなかったの。それで、王朝の核心的な機関である議政府、吏曹、兵曹、司憲府、司諌院、弘文館などの要職は文官が独占して、武官は都摠府(トチョンブ)、宣伝官(ソンジョングアン)、部将(ブジャン)といった限られた要職にしか就けなかったのよ。

はると

凄い格差社会だったんだね…。

【朝鮮王朝】官職の階級

なつき

朝鮮王朝時代の官職には品階があって、「正」と「従」に分かれ18段階あったのよ!そして、時代劇ドラマで頻繁に聞こえてくる“呼び名”は官職の品階だったんだ!

オレンジのマーカーは必ずと言ってよいほど登場する役職よ!

大監(テガム)

正一品領議政・左議政・右議政
従一品左讚成・右讚成・提調
正二品判書・大提学
※役職の一部

令監(ヨンガム)

従二品参判・観察使・兵馬節度使・府尹
正三品(上官)参議・都承旨・水軍節度使
※役職の一部

ナウリ

正三品(下官)
従三品都護府使
正四品
従四品郡守・水軍万戶・兵馬万戶
正五品
従五品判官・判尹
正六品
従六品県監
正七品博士
従七品
正八品
従八品
正九品
従九品
※役職の一部
なつき

よく臣下が王様に進言してるシーンを見るけど、あれは正三品堂上官以上なのよ!

また、官職は一目で品階が分かるように色分けされていて、正三品堂上官以上は赤い官服、正三品堂下官以下~従六品は青い官服、正七品~従九品は緑の官服を着ているの!

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